いつも通り、私に目を向けては頬を染める隊士の方々。
奥の方にアキトとトキ。
「「(今日も可愛いー!!!)」」
隊士たちが勝手に悶える姿も見慣れた。
もう瞳の色は戻ったので、どうせまた可愛い可愛いと思ってくれているんだろう。
この城には女っ気が少ないからなー。ハナちゃんは既婚者だしなー。
「リンお疲れ様。」
「うんー。」
アキトとトキの近くに座って、みんなが食べ進めるのを私はただ見つめるだけ。
「お前食わねえのかあ?」
「…うーん。」
「ルイがまたうるせえぞ?」
「だよねー。」
私はちょこっとずつ食べ始める。
「そう言えばルイは将軍になるの?」
「うん。るうは元々強いし、私の横で経験積んでるから問題ないんじゃないかなって。」
「確かに。また厄介な将軍が増えたね。」
敵国の立場から見れば厄介でしょうね。
るうの力は私が一番認めてる。そんなるうがハルを温存して個々で自由に戦に行けるのは大きい。
「シオンが吹っ掛けた対ソル戦、作戦はリンが組み立てるの?」
「まさかー。出陣するのハルだし。ハルは完全に直感型だから下手に私が口出すと変に爆発しちゃうし。いつも何も言わないよー。」
「チラッと言ってた半年って?」
「…ソル相手なら長期戦になる可能性は高いから。半年経っても終わらないならるうを投入しようねってハルに伝えたの。」
本来、こんな作戦を敵国に漏らすなんて笑止千万。
ただ私シオンの前でも言ってしまったので、隠したところでシオンからトキに情報行くかもなと思ったので素直に話す。
「それをルイが了解したって話か。鬼人の復帰戦、アキト一緒に観戦行かない?」
「行きてえ!!!」
「だよね。鬼人はいつ開戦するんだろう。」
開戦のタイミングとかは基本ハルに任せる。
私も知るところではないけど。
「…たぶん意外と早いと思うよ。一ヶ月、あるかないか。」
「そんなに早く?」
「不戦期間をハルは無意識に避けるだろうからね。」
「アレンデールの不思議な不戦期間、毎年毎年決まって春は一定期間戦しないやつだよね。」
…他国にはそんな風に伝わってるのか。
アレンデールの王都の人間ならば、その理由は分かりやすいもので。情報が漏れてないのが逆に凄いなと私は思った。

