サクとはさっきの課題を徹底して練習。
アキトとはもう同じ稽古内容。二周目でも結局お互い無傷は変わらず日が傾き始めたところで稽古終了。
「つ、かれ…た。」
もう動きたくない。
けどそんな稽古場にハナちゃんがやって来て、浴場を先に使って良いと言ってくれたのでお言葉に甘えることにしました。
「うー…しんど。」
「一緒に入ってやろうかあ?」
「邪もしんど。」
「ああ!?」
邪アキトは捨て置き、私は浴場へ。
そしてのんびりリラックスタイムを過ごして、ぷかぷかとお湯に浸かっています。
本当にアキトの成長には目を見張るものがある。今日の稽古は既に完全に全力だった私。
追い越されるのは時間の問題。
「いいな…。」
るうにも敵いそうにないし。
アキトにも手が届かなくなるだろうし。
自分でそう仕向けたし嬉しいけど、やっぱり悔しい…というか。
…私だけが取り残されていく感覚。
「これは、寂しい…かな。」
そんな表現が近い気がする。
けど、そんな甘えたことばっかり言えないので。今はやっぱり素直に喜ぶのが一番だろう。
「…寝そう。」
このままだと溺れて溺死する可能性が高いので、私はお風呂から上がることにしました。
脱衣所にはハナちゃんがまた寝衣を準備してくれている。もう慣れたものなので躊躇いもなく着る。
「あー…どうしよ。」
たぶん夕餉のため、みんな広間に集まってるんだろうけど。
私は眠いので食べずにアキトの部屋で寝てしまいたいものなんですが。
るうと再会してあれだけ怒られた直後、食べずに寝てもいいのだろうかと少し考えさせられたり。ハナちゃんが一生懸命準備してくれたんだしと自分に言い聞かせたり。
葛藤しつつも意を決して広間のドアを開ける。

