「ちょっとギア上げるよー。」
「はい!」
割と早い攻撃にも対応出来てる。
定形外の動きにもちゃんと反応出来てる。
ここで私は敢えて死角から攻撃をサクに繰り出す。
「っ!?」
「はい、ここサクの次の課題ね。」
首に添えられた剣を見て目をパチパチと驚くサクに、私は優しく諭す。
「敵の動きはもっと良く見て、読めるようになろうね。」
「あー悔しいっす!」
「サクは視野広いし大丈夫だよー。」
「うっす!」
もうかなりサクに時間使ってしまったけど、次はアキトだ。
アキトと稽古するにはもう双剣では対応出来ないので、私は一本だけ鞘に収める。
「アキトおいでー。」
「…あいよ。」
この猛々しく勇ましい。
強く咲かんとする花の開花を狂わせる。
「トキたぶんビックリするよー。」
「お前等の計算通りだろ。アイツは別に驚きはしねえよ。」
「…私もトキも誤算だったんですよね。」
「はあ?」
とりあえず稽古しましょうと。
私が声を掛けると、アキトは不思議そうにしつつもその矛を振り翳す。
「おっもー…。」
「加減すっかあ?」
「それじゃアキトの稽古にならないじゃん。受けずに躱すに徹するよ。腕もげる。」
一太刀、剣で受けたものの。
案の定私の腕が悲鳴をあげたので、もう受けるのやめます。
そこから宣言通り、アキトの攻撃をひたすら躱し続けて。私は持ち前のスピードで間合いを詰める。
「もう、せっかくリーチあるんだから上手く使ってよー?」
「まだ慣れねえんだよ!!」
「はいはい。疲れてくると振り遅れるのは課題なので、頑張って鍛えてくださーい。」
「お前は相変わらず余裕だなあ!?」
…余裕って。
「そんなのどこにあんの。」
「ああ?」
「…あ、隙あり。」
不意打ちしてみてもアキトは冷静に反応する。
最初こそボロボロになって始まったアキトとの稽古ですが、今となっては無傷。私もですけど。
ほぼ拮抗した稽古に思わず笑ってしまう私。

