私はもう恥ずかしいというか、何とも言えない感情に苛まれこの場にいるのも辛い。
「…目の色も戻ったし。私とハナちゃんの鬱憤を晴らすことにしようかな。」
「何するんすか?」
「アキトとサクの時間外稽古。」
我ながらナイスアイデア。
そうしよう。こう言う時は身体を動かしてスッキリするのが一番いい。
「リンちゃん!私の分までよろしくね!!」
「まっかせてハナちゃん!!」
「「…。(…最悪だ。)」」
意気揚々な私とハナちゃん。
意気消沈してるアキトとサク。
私はさっさと動きやすい服に着替えてアキトに声を掛ける。
「アキト、私の剣はー?」
「リンここにあるよ。研ぎ終わってるから存分によろしくね。」
「トキありがとー。」
仕上がってて良かった。
私はトキから二本の剣を受け取り、稽古場へ向かう。
今日はトキも見学したいと言うので、トキに今までの成果をお披露目出来る良い機会です。
「じゃあサクから見ても良い?」
「トキさん!?何で俺が先なんすか!?」
「え、気分。」
トキに指名されたサクは泣く泣く剣を抜く。
私もぴょんぴょんと跳ねて軽い準備体操。そして一息ついて剣を抜く。
「よろしくー。」
「よ、よろしくっす。ただリンちゃんお手柔らかに…いっ!?」
久々なもので。
血が沸っているのは稽古を受けるサクではなく、寧ろ私。
るうの姿を見て。
もう、私よりも遥かに力を付けたことに気付いてしまったから。
…置いていかれるわけにはいかない。
「っり、リンちゃ…!?」
「サク反応遅れてるよー。とりあえず感覚戻すとこからっぽいね。頭で考えずに反射で動いてていいよ。私が合わせる。」
「は、はい!」
休んだ間がある分始めはちょっと動きが鈍かったけど、それも最初だけ。
器用なサクの調子はすぐに上がる。

