波乱もありつつでしたが。
るうはアレンデールへ帰って行きました。
本当に輝石の反応に応じてここに来てくれて、安否確認だけして帰って行く。るうらしくて、スマートでカッコいいです。
るうを見送って、私はみんながまだいるだろう広間に戻る。
…が。
「サクくんの馬鹿ーっ!!!」
「は、ハナちゃん落ち着いて!隊長、トキさんもちょっと手貸してください!!」
ハナちゃんが大いに荒れている。
広間でありとあらゆる物をサクに向かって投げ続けている。
「…え、なに…どうしたの?」
「リンおかえり。夫婦喧嘩だよ。気にしなくて大丈夫だからこっちおいで。」
トキが私を手招きしてくれるので大人しく従う。
けど、ハナちゃんの荒れ具合只事ではなさそうですが大丈夫ですか。
「私が浮気なんかするわけないでしょっ!疑うなんてサクくんありえないっ!!!」
「いや、疑ったわけじゃっ…!」
「大体こないだ隊士の皆さんとお姉さんいる飲み屋さん行ったのだって私知ってるんだからー!!!」
「うえ!?なんで知って…じゃなくて!ハナちゃんごめん!!それは付き合いなんです!!!」
「自分のことは棚に上げて何なの!?!?」
…あらー。
もうドンガラドンガラ。色んな物がサクに向かって飛んで行っているが。
サクはただひたすら謝るのみ。
「ハナちゃんが浮気って、サクは何でまたそんなこと言い出したの?」
「それが厨房でハナがルイに見惚れてたのを、サクが指摘したらこうなったらしい。」
「るうが原因か。」
「ルイは無駄に男前だからね。」
いや、それはマジで。
本当無駄。
「ハナちゃんもサクも、何かるうが迷惑掛けてごめんね?」
「あ、リンちゃんからもサクくんに言ってくれる!?あの人はリンちゃんのことが好きだから私とは何にもないんだよ!?」
「へ…えっ!?」
なんでハナちゃんがそんなこと知ってるの!?
「リンちゃん大丈夫っす!俺はルイさんが何よりリンちゃんのこと好きなのちゃんと分かってるんで!」
「なっ…。」
飛び火してる!!!
大いに私がダメージ受けてる!!!
「それが分かっててお前等は何で喧嘩してんだよ。」
アキトの声に、ハナちゃんの動きが止まる。
しゅんと肩を落としてサクにごめんと謝って、サクもハナちゃんに謝って。めでたしめでたし。
「あ、リンちゃんごめん!あの人の気持ち勝手に伝えちゃって!」
「いっ…いいの。大丈夫。」
「ルイさんの気持ちはもうリンちゃんには届いてますもんね!やっぱルイさんカッコいいっす!!」
「…もう、この話やめない?」

