広間にるうが帰って来たのを、私は正座で待ち受ける。
「…言うことは?」
「嘘ついてごめんなさい!」
「他は?」
「これからしっかり食べます!」
「で?」
「え…えっと…来てくれてありがと…?」
よろしいと。
るうがそう言って私の前に膳を置く。
「…戦のことはハルに聞いた。半年の期間も俺は問題ない。」
「うん。」
私は美味しそうな甘味物に無意識に手を伸ばす。
甘くて美味しくて、久々に食べ物が喉を通るので身体も喜んでいるだろう。
「あと、俺結局ハルの従者やめた。」
「…うん?」
食べていた手が思わず止まる。
そして聞き間違いかもしれないから落ち着こうとコーヒーを口に運ぶ。
「うわ、るうのコーヒーだ。泣きそう。」
「…悪いけどマジで泣かすぞ。」
「へ?」
「確かに将軍になるにしたって、俺にはハルに仕える道もあるにはあった。」
そうだよね?
だから聞き間違いかと思ったんですよ?
「ハルも将軍になろうが変わらねえからどっちでもいいって言ったんで、やめることにした。」
「…そ…っか。」
意外だ。
るうってハルのこと大好きだし、ハルもるうのこと大好きだし。
二人の関係性は変わらないとは言え、そんなにあっさりやめられるものだったんだと。ちょっと全然信じられない。
「けど、お前のはやめてねえ。」
「…ん?」
「建前上、これでお前の専属になった。」

