るうはハナちゃんが沸かしてくれたお湯を使って、コーヒーを淹れる準備に取り掛かる。
「あれ、お湯は火から離しちゃうんですか?」
「リンは沸点から少し置いた方が…って、悪い。別にアイツはコーヒーなら何でも飲むから俺のやり方は気にしなくて良い。」
「えー!リンちゃんの好み知りたいです!教えてください!」
「…目安は九十五度。豆は深煎りより浅煎り派。この豆は浅煎りだから温度だけ気を付ければたぶん大丈夫だな。」
ハナちゃんは嬉しそうにるうの話を聞いて、教えてくれてありがとうとお礼を伝える。
るうもそんなハナちゃんを見て安心したように笑う。
「リンはあんたのこと気に入ってるから。割と気にせずで大丈夫だ。」
「っ…!!」
るうの不意打ちイケメンスマイルに。
サクと言うものがありながらも思わず頬を染めてしまうハナちゃん。イケメンとは罪なものです。
「ハナちゃーん!…って、え!?ルイさん!?」
「サクか。邪魔してる。」
「何でルイさんがここに!?てかハナちゃん何でそんな顔してんの!?」
「…じゃ、俺終わったんで。」
るうは出来上がったコーヒーと甘味物を持って、再び広間へ戻る。
…事故った夫婦を置いて。

