(二)この世界ごと愛したい





思わず、そう思ってしまう程。


更生したスーザン。




私はそんなスーザンに無意識に微笑んでしまう。





「じゃあスーザン、どうせ友達いないんだろうから私が友達になってあげる。」


「と、友達!?」


「王様の友達なんてお得だなー。」


「なんて無礼なっ…!!!」




友達がいないと言ったことか、お得だと言ったことか。無礼だと言われてしまいましたが。







「友達の国だからね。命懸けで戦ってきてあげる。」


「っ…!」


「だけど他国には私との繋がりは気取られないように気を付けてねー。」


「わ、分かった。」




私はセザール国王という友達を手に入れた。


いつか、うちのアルがお世話になるかもしれないし。お世話するのかもしれないけど。




ああ。


こうして、仲良く繋がる国が増えると嬉しいな。





「よし、トキ行こうかー。」


「どうやって行くの?」


「私を抱えてくれれば……あ。いや、ちょっと待って。」




トキに抱えてもらうのは、いけるのか?


その腕前は知らないけど、アキトを蹴り飛ばせるくらいの力はある。



でも長時間私を抱えたままなんて可哀想すぎる。今はただでさえ疲弊しているだろうし。




それにトキは私のこと嫌いって言ってた気もする。今はあの時より仲良しになれたと思うけど。







「…何か俺に遠慮してる?」


「え、遠慮と言いますか…。」


「相変わらず可愛いなー。」


「へ…えっ!?」




ふわりと正面から、まるで子供を抱えるようにトキが私を持ち上げた。



まさかの縦抱き…!?





「ちょ…待って!これじゃ…っ!」


「ん?ダメ?」


「〜っ!ち、近いって!!!」




楽しそうに笑うトキは、私を大いに私を玩具にしてる。