うん、知ってる。


戦が近付いていそうな気配は感じていた。




「またディオンでしょ。」


「流石リンだね。王宮の馬鹿共と話し合って、休養終わり次第ディオンの国境を少しだけ押し込むために領土を取りに行くんだ。」


「トキだから心配いらないと思うけど、向こうも気付いてる。この流れの戦は…死人が増える。」


「…うん。そのための休養だよ。」




分かってるなら、いっか。



それを知ったからダラダラ休むのはもういいんだけど、隊士たちが私を見てヒソヒソと話してるのは気になるし。良い気分ではない。





「お前等、リンが怒ってんぞ。」


「「えっ!?」」




そんな隊士たちをアキトが注意してくれた。





「す、すんません!リンちゃんの目がいつもと違って…その…。」


「あ、なんだ。悪口かと思ったー。」


「なんか、いつもより…大人っぽいというか…妖艶というか…。」


「はい?」




そんなこと言われたことないですけど。



大人っぽい?妖艶?


今までは可愛い可愛いと子供扱いされることが多かったので、ちょっと新鮮…かもしれない。




「お前等、懲りねえなあ。」


「隊長すんません!でもやっぱリンちゃんどうしたって目が行くんすよー!」




悪口じゃないことが分かれば悪い気はしないな。




「…ありがと?」


「隊長すんません。今晩リンちゃん貸してください。」


「よし来た。まず武器持って表出ろ。」




お礼を言うと、真っ赤になって照れたかと思ったら私のレンタル希望。


そしてアキトが迎え撃つ体制。