ってことなので。
泣きたいから一人にしてほしいところなんですけど、この二人このままここに居座るつもりか?
「その瞳のリンも可愛いね。」
「えー私は不気味で好きじゃないんだよね。」
「そう?俺は好きだよ?」
ふわりと笑うトキ。
その笑顔に、昨日の別れ際のシオンの顔が重なる。
「…兄弟だなー。」
「え?」
「トキとシオン。トキが愛嬌ありすぎるから似てないなって思ってたけど、笑った顔はそっくりだね。」
「…シオンが笑ったの?」
悪い顔で笑うことや、不敵な笑みを浮かべることは確かに私も見たことあるけど。
確かに昨日見たのはトキみたいな、可愛らしい純粋な笑顔。
「言われてみれば、トキみたいに可愛く笑った顔は初めて見たかもしれない。」
「…シオンが可愛い何て想像も出来ない。」
トキは俄かには信じられない様子。
そして、私はこの瞳を何とかしたいとは思いつつ、泣けそうにないので。
とりあえずコーヒーが欲しくなり、ハナちゃんを探すことにする。
「ハナちゃんにコーヒー頼んでくるー。」
「リンそのままで大丈夫?」
「流石にすぐに動けなくなったりしないよー。」
広間にコーヒーを運んでもらえるよう、トキが取り計らってくれたので。
とりあえず私は広間でハナちゃんを待つ。
広間には数人の隊士さんがダラダラと雑談していて、私をチラチラ見ては顔を赤らめたり見惚れたり。
「…ここの隊士さんたちは、私が稽古しないとずっとこんな感じなの?トキそれでいいの?」
「あー、戦続きだったから名目は休養中なんだ。リンの稽古だけ強制してるんだよ。」
「…休み過ぎじゃない?」
「実はもう次の戦決まってるんだよね。」

