瞳の色を変えると消耗する話をしてしまったので、心配させないように目を伏せるけど。


たぶんもうバレてるか…?




「リン、大丈夫?」


「大丈夫。二人とも心配かけてごめんね。お迎え来てくれてありがとう。」


「…目、戻りそう?」


「戻そうとしてたとこだったんだけど、見られちゃったね。」




観念して私は目を開く。


別に隠したいわけじゃないし。ただ心配させたくなかっただけで。



それに泣いてるとこを、見られたくなかっただけで。




「お前なんで泣いてんだよ。」


「…この瞳、炎とほぼ同じなの。だから泣いたら高確率で元に戻せる…ので。」


「泣きの演技まで覚えたのか!?」




そんなの習得出来るものならしたい。


私がこの涙を流すためにどれだけ集中して悲しいことを考えなきゃいけないと思ってるんだ。




「…シオンお家まで送ってきたよ。トキのお家すっごいお屋敷だったね!」


「え?シオン家まで送らせたの?」


「うん。」


「…最低。リンもちゃんと文句言っていいんだよ?どうせリンが城の連中に見つからないようにって山岳移動させられたんでしょ?」




わあ、まるで見てたかのようですね。




「…そうなの。私もう途中本当に心折れかけて。山の中の移動は嫌だって言ったのに!倍疲れた!!」


「リンごめん。次会った時にシオンにはちゃんと言っとくよ。」


「よろしくお願いします。」




ふん。


私を良いように使うからだ。確定でトキのお説教。せめてこれくらいの反撃はあってもいいはずだ。




「それよりお前その瞳のままで大丈夫か。」


「大丈夫…って言ってあげたいけど、正直あんまり大丈夫ではないから何とかします。」


「わざわざ泣かねえと戻らねえなんて、難儀な瞳だなあ。」


「もう慣れたよ。」