今度は寝過ぎて、気怠い身体を起こす。


そう言えば昨日の朝ご飯を食べてから何も食べていないことを思い出したけど。


限界を越えれば食欲も湧かない。





「…あ。」




瞳の色が戻ってないのを忘れてた。


また今日も稽古サボることになってしまって、せめて時間外分のアキトとサクだけでも思ったので私はこの瞳を元に戻すために尽力。





「…やっぱダメだ。」




泣くしかないな。


最近泣きたいエピソードなんかあったかな。





「うーん。」




マサの怪我、痛そうで嫌だったな。


アキトが会いに行ったレンが、寝る間もないくらい忙しそうなのが少し可哀想だな。



ハルが…。





「…はる。」




そう言えば、シオンが私をエゼルタに嫁がせるとか何とか。


そんなことを言ったせいで、私ハルにちゃんとお別れも言わずに飛び立ってしまった。



…ハル、悲しかったかな。



誰よりも私を想ってくれているはずのハル。そんなハルの気持ちを考えると、申し訳なくて胸が痛む。




よし、この勢いのまま…。





「…リン、起きたか?」




私の頬に一筋、ハルを想う涙が流れた。


それと同時にアキトが戻ってきた。その後ろにトキもいて。涙する私を見て固まる。





「…リ、ン。」


「…あー。違う、大丈夫だから。」


「どっか痛えか?」


「えっと、痛くない。そうじゃなくて…。」