「…んー…。」




差し込む光を感じて。


私は眠りつつも身体を光から反らそうと動こうとした…が、動けない。




「…あ、れ。」




もう慣れ親しんだ感さえあるアキトの部屋。


私を抱え込むアキトの寝顔。



クロは無事に迎えを呼んできてくれたのかと今知ることになった私。鷹とは本当に優秀だ。





「…あ。」




そして変化させた瞳の色が元に戻っていないことに、何となく気付いた。


どうしようかな。



とりあえず元に戻すことは後で考えよう。何せまだ身体が寝たいと叫んでる気がする。




なので、私は光から逃げるようにアキトの腕の中で無理矢理寝返りを打つ。





「…ん、起きたか?」


「まだ寝る。」




私が動いたせいでアキトを起こしてしまったが、私は寝返りを打ってアキトに背中を向けてしまったので。このまま寝続けたいところ。




「大丈夫か?」


「眠い。」


「お前林の中で寝てたぞ?」


「うん。だからまだ眠い。」




私は再入眠を試みるが、アキトが話しかけるので中々思い通りにいかない。


…寝かせてくれー。




「リン。」


「…んー?」


「おかえり。」


「…ただいま?」




アキトが後ろからまた私を抱き締め直す。




「無事で良かった。」


「…アキト心配性すぎ。」


「お前限定だ。」


「…おやすみ。」




振り向くことなく私は本当に眠すぎて、そのまま二度寝。




次に目覚める頃にはお昼も過ぎていて。



隣にアキトもいなかった。