一方、アキトの城。


場所はトキの部屋にて。




日が暮れたにも関わらず戻らない私を心配したアキトが、今にも城を飛び出さんと悶々としている。



そんなアキトが城に留まっているのは、それをトキが制止しているから。




「どこにいるか分からないのにアキトを行かせられるわけないでしょ。馬鹿なの?」


「だからって追手のこともあんのに何かあったらどうすんだよ!?」


「あのね、リンだよ?そんなヘマしないに決まってるじゃん?」


「アイツ危険でも自分の興味に飛び込むんだよ!とりあえずこの近辺だけでも探してくる!!」




このやりとりをずっと繰り返す二人。


そんな二人の元に、クロが辿り着きトキの肩に降り立つ。




「リンの鷹…けど、伝書はない。」


「おいおい、アイツいつの間に鳥まで従えたんだよ。」


「…それより急を要するかも。」


「ああ!?」




私がクロをここへ向かわせたということは、何とかトキに何かを伝えたい意味。


そして伝書がないということは、書ける状況ではないという意味。





「ピー。」




クロが私の意を汲んで窓の外へ飛び出す。




「もしかしてリンの居場所が分かるのかな。」


「俺が行く!!!」


「…心配だから俺も行くよ。」




こうして無事に助けを呼ぶことに成功。


二人が私の元へ、クロを追ってやって来てくれました。