ライバル国に手を貸して、アレンデールに申し訳なく思わないこともないけど。
それでも今は、ただ嬉しいと思う。
「じゃあとりあえず前線行ってくるから、終わったらアキト軍は一ヶ月休養に入ります。あとはそっちで何とかしてねー。」
「…姫は手厳しいな。」
「私もう姫じゃないんだって。リンでいいよー。」
「り…リン…か。」
顔を赤くしてますけど、あなたにはちゃんと奥さんいるってこと知ってますよー。
人の名前呼んで照れてる場合じゃないですからねー。
私はスーザンから離れ、トキの元へ進む。
流石にもう衛兵も文官も大人しく道を開けてくれた。
「リン、久しぶりだね。」
「トキ顔色悪い!どんだけ無茶させられたの!?」
「頭の悪い奴ばっかで嫌になってたとこだよ。リンが来てくれて今癒されてる。」
眠る間もなかったのか、トキの顔には疲れの色が顕著に現れている。
可哀想に!!!
「もうトキ返してもらうからね!」
「あーリン可愛いし本当に良い子だねー。」
「…と、とりあえず。西の戦場はもう国境まで押し戻して、アキト軍は城に帰すように伝えてきたけど問題なかった?」
私の言葉にトキは驚いて、私の手をぎゅっと握る。
「もう有り難いよ。このボンクラ共に兵は取られるわ無駄にダラダラと時間だけ掛けられるわで、俺もう我慢の限界だったんだよね。」
相変わらず毒を吐きまくっているトキに、周囲の同じく軍師さんだと思われる方々が落ち込んでいる。
「…責任の一端は私にもあるからね。」
「それはそうだけど。俺はリンがまたこの国に来て、どうせ無茶するんだろうなって読んでたよ。」

