ふと、私は指笛を鳴らしてみる。
クロにアレンデール城を覚えてもらわないといけないのを忘れてた。
“ピー”
その声はちゃんと聞こえた。
「クロ、私は行けないんだけど。シオンが今向かってるから着いて行ってくれる?」
「ピー。」
分かったって言ってくれた…気がした。
クロがシオンを追って行ったのを確認して、私はすぐに裏山の草原で意識さえ手放す。
…体力回復大事!!!
ここはアレンデールだし。もうすぐそこにハルとるうがいるのが分かるから。安心して眠れます。
城へ向かうシオンの元へ。
クロがすぐに追い着く。私の意図を察知したシオンはクロを肩に乗せてそのまま城を目指す。
「…ん?あ、あなたは…。」
「ハル呼んで。」
他国の衛兵にも無礼なシオンは、不躾にハルを呼べと伝える。
「なっ…て、敵襲!!!」
アレンデールからすれば敵国の将。しかも相手があのシオン。それは敵襲と思われても仕方ない。
敵襲と声を上げたことで一斉に迎撃体制を整える衛兵たちと、めんどくさそうなシオン。
「彼女に免じて命は取らないでおくから、さっさと呼んで来い。」
「は、ハル様に報告を!!!」
衛兵が城内へハルを呼ぶために走る。
シオンは剣は抜いても、自分から攻撃することはなく。衛兵から攻撃されてもその剣を往なすだけ。

