(二)この世界ごと愛したい




何故だか空気が凍った気がした。



あーるうが恋しい。


これはるうにしか通じないのか。





「か(可愛い!)、だっ(抱っこって!?)…よ(酔ってんのか)!?」


「……。(リンは魔性だなー。シオン可哀想。)」


「……。」




三者三様の表情。


アキトに至っては言葉になってない。トキとシオンは流石兄弟。二人で沈黙を貫く。





「……。」




その反応にも腹が立ってきた。


なので私はもう窓に手を掛けました。もう一人で行ってやります。





「…トキ、三ヶ月後また来る。」


「了解、気を付けてね。報告よろしくー。」




ちゃっかりお別れを済ませているシオン。


私まだ許してないぞー。





「ちょっ…また…!?」


「どうぞ?」




窓に手を掛けている私を抱き抱えたシオン。


抱えるのはいい。そうしてもらわないと飛べないし。



けどなんでこんな時は縦抱きなの!?!?





「だ、だからこれじゃ…っ!」


「早くして下さい。」


「〜っ!!!」




恥ずかしいのと怒りが相まって、私は猛スピードで空へ駆け出した。




絶対いつか、ちょこっと焦がしてやる!!!





怒りのまま、私は遥か上空へ昇る。


これは元々予定していたことでもあるんですが、あまり表立ってアレンデールに行けない以上。




雲に隠れて移動しようという私の目論見。