「現に、アレンデールでさえ私の力を持て余したから私は国を追われた。それを易々と受け入れよう何て考えない方がいい。」
「国外追放は…本当だったのか。」
「そうじゃなきゃ私はここにいないでしょ?」
「…なら尚更、姫には拠り所が必要ではないのか?」
まさかスーザンに心配してもらえる日がくるとは思わなかったなー。
人間一度はどん底に落ちてみるもんだね。
「私を抱え込むと、すぐにまた各国がここに攻めてくる。それを受け止められる自信ある?」
「っ!」
「受け止められるくらい強い国になったらまた声掛けてよ。今のスーザン様、私嫌いじゃないよー。」
「も、元は嫌いだったのか!?」
…え、うん。
稽古ばっかりせがまれて迷惑だった。レンのこともボロカス言ってたし。
不快だったなー。
なんて、そんな昔のこと今は言いませんが。
「昔のことはいいじゃんー。また機会があったら寄ってあげるから、ちゃんと王様頑張ってね!」
「…王になっても、俺は何をしていいのかまだ分かっていない。」
「うーん。私も王様の経験はないけども。とりあえず、身近な人を大切にすることから始めてみたら?人を大事に出来ない人は王の器じゃないってパパがよく言ってた気がするー。」
「…やってみよう。」
ああ、嬉しいな。
力強く頷くそのスーザンの姿はほんの少しだけ、ちゃんとした王様っぽくて。
…これからセザールはまた強固な国に返り咲く。

