(二)この世界ごと愛したい




そーっとそのドアを少し開ける。


ただそれだけなのに、みんなの視線がこのドアに向くのが分かる。



入りにくいからやめてくれよ!!!





「コーヒー用意したよー!」


「は、ハナちゃん!嬉しい!ありがとうっ!」




ドアの前で一歩踏み出せない私の足を、広間へと運ばせるハナちゃん。


この数日で、私の扱いを完全熟知したのはこの城でハナちゃんであると言える。





「「「萌えるー…。」」」




隊士のみなさん。


まじで帰ってきたら稽古覚えとけよ。





「リン、今日も可愛いね。」


「トキおはよー。可愛いのはお洋服で…私はなんか落ち着かないんだけど。」


「おはよ。リンが可愛くて俺服なんて見てなかったよ。」




なんて優しい子なの!トキさん!!



私は早速ハナちゃんのコーヒーに手を伸ばし、ゆっくり飲み始める。





「…確かにこれだけ見れば姫っぽいなあ。」


「本当だ。所作とか流石にしっかりしてるよね。本気出せば言葉遣いも綺麗だし。」


「寝起きは悪いけど。」


「それもまた可愛いじゃん。」




アキトとトキが何やら話している。


私が姫っぽいかそうじゃないかって話か。そんな話はいないところでやってくれ。





「…シオンは?」


「まだ寝てるよ。シオンもリンと同じで寝起きそんなに良くないんだよね。」


「ふーん。」




置いて行っていいのか?


私一人で行く方が楽は楽だし?





「俺が後で起こして来るから、リンはアキトの部屋で待ってて。」


「はーい。」




と言うことで、コーヒーを飲み干し。


食欲はないなりに頑張って食べれるだけ食べて、私はアキトと部屋に戻る。




部屋に戻ってすぐ帯剣。





「に、似合わない…。」




この女の子らしい格好に剣が何ともミスマッチ。