そーっとそのドアを少し開ける。
ただそれだけなのに、みんなの視線がこのドアに向くのが分かる。
入りにくいからやめてくれよ!!!
「コーヒー用意したよー!」
「は、ハナちゃん!嬉しい!ありがとうっ!」
ドアの前で一歩踏み出せない私の足を、広間へと運ばせるハナちゃん。
この数日で、私の扱いを完全熟知したのはこの城でハナちゃんであると言える。
「「「萌えるー…。」」」
隊士のみなさん。
まじで帰ってきたら稽古覚えとけよ。
「リン、今日も可愛いね。」
「トキおはよー。可愛いのはお洋服で…私はなんか落ち着かないんだけど。」
「おはよ。リンが可愛くて俺服なんて見てなかったよ。」
なんて優しい子なの!トキさん!!
私は早速ハナちゃんのコーヒーに手を伸ばし、ゆっくり飲み始める。
「…確かにこれだけ見れば姫っぽいなあ。」
「本当だ。所作とか流石にしっかりしてるよね。本気出せば言葉遣いも綺麗だし。」
「寝起きは悪いけど。」
「それもまた可愛いじゃん。」
アキトとトキが何やら話している。
私が姫っぽいかそうじゃないかって話か。そんな話はいないところでやってくれ。
「…シオンは?」
「まだ寝てるよ。シオンもリンと同じで寝起きそんなに良くないんだよね。」
「ふーん。」
置いて行っていいのか?
私一人で行く方が楽は楽だし?
「俺が後で起こして来るから、リンはアキトの部屋で待ってて。」
「はーい。」
と言うことで、コーヒーを飲み干し。
食欲はないなりに頑張って食べれるだけ食べて、私はアキトと部屋に戻る。
部屋に戻ってすぐ帯剣。
「に、似合わない…。」
この女の子らしい格好に剣が何ともミスマッチ。

