「何気にシオンってリンの姫らしいとこ一番見てないはずなのにね。」
「…別にいい。」
正装も、王族としての振る舞いも、シオンは確かに見たことがない。
見たことあるのは幼い頃の姿と戦場に降り立った姿だけ。
それなのに姫っぽいと。
「…あ、やべ。リン忘れてた。」
「アキトどんまい。たぶんリンもう寝てるよ。」
「寝てるならそれでいい。明日は大移動らしいからなあ。」
「エゼルタのどの辺まで行くつもりなんだろう。」
王都です。
私はもう決めてるし、シオンもそれを読んでると踏んでいます。
「俺リンのとこ戻る。」
「うん。日が落ちたらリン飛べないらしいから、雨上がり次第出発できるように起こしてあげてね。」
「ああ。」
服を返したアキトが部屋を出た後、シオンもすぐに立ち上がる。
「エゼルタに連れてくなら、くれぐれもリンのこと見張っててよ。」
「…分かってる。」
シオンもトキの部屋を出る。
こうしてこの夜それぞれが眠りについて。
私とシオンがアレンデールに向かう日の朝を迎えることになった。
雨は、私の予想よりも早く上がり。
朝日が顔を出す頃には既に小雨程度。
…虎と狼が、再び相見える日。

