(二)この世界ごと愛したい




「何気にシオンってリンの姫らしいとこ一番見てないはずなのにね。」


「…別にいい。」




正装も、王族としての振る舞いも、シオンは確かに見たことがない。


見たことあるのは幼い頃の姿と戦場に降り立った姿だけ。



それなのに姫っぽいと。






「…あ、やべ。リン忘れてた。」


「アキトどんまい。たぶんリンもう寝てるよ。」


「寝てるならそれでいい。明日は大移動らしいからなあ。」


「エゼルタのどの辺まで行くつもりなんだろう。」




王都です。


私はもう決めてるし、シオンもそれを読んでると踏んでいます。




「俺リンのとこ戻る。」


「うん。日が落ちたらリン飛べないらしいから、雨上がり次第出発できるように起こしてあげてね。」


「ああ。」




服を返したアキトが部屋を出た後、シオンもすぐに立ち上がる。





「エゼルタに連れてくなら、くれぐれもリンのこと見張っててよ。」


「…分かってる。」




シオンもトキの部屋を出る。



こうしてこの夜それぞれが眠りについて。


私とシオンがアレンデールに向かう日の朝を迎えることになった。





雨は、私の予想よりも早く上がり。


朝日が顔を出す頃には既に小雨程度。





…虎と狼が、再び相見える日。