冷たく言い捨てるシオン。
ハルに強い憧れを抱くアキトは何とも言えない表情。
「けどもうハルを狙わないって言ったし。彼女が泣いてない内は何もしない。」
「…俺が言えたことじゃねえが、お前も大概だなあ。」
「とりあえずモノにするのが早いかと思ったけど、あんなフラれ方してんの見たから俺はもう少し様子見。」
「あんなフラれ方で悪かったなあ!?」
トキはこんな二人を眺めて、ただ楽しそうに笑うだけ。
「恋愛に興味ないのは俺も同感だし。」
「矛盾してんぞ!?」
「俺はただ欲しいだけ。」
「…子供かよ。さっきもリンが食われるから早く行けって俺を顎で使いやがって。」
隠れんぼの勝者から私を奪還するようにアキトに頼んでくれたというシオン。
「俺が行くと殺し兼ねない。」
「お前のは冗談にならねえから嫌なんだよ。リンの前では牙抜かれて大人しくしてるくせに。」
「…もう違うって頭では分かってるんだがな。」
「はあ?」
シオンの中の私。
でもそれは常々誰しも感じることがある。
「立場を捨てても尚、あれは揺るぎもしない一国の姫だ。」
気高さも、誇り高さも。
一国の姫のそれと相違ないというシオンの考えに、否定的な声は上がらない。
「確かに。リンって普段全然そんな雰囲気ないのに、たまに姫っぽさ出るよね。」
「…婚儀の時はヤバかったなあ。」
「アキト馬鹿みたいに見惚れてたもんね。」
「あの場の全員そうだったろ!?」
私が人生で一番着飾った日。
ヘットヘトになりながらもレンに支えてもらいつつ、どうにか頑張った日。

