私の言葉を聞いたトキが、どこか嬉しそうに笑ったのを見て。
隊士の皆さんも何かを察してくれた気がする。
「んで?」
「うん?」
「あのシオンがそこまでする程の事態。お前等はどう考えてんだあ?」
「「「すみませんでした。」」」
みんなと一緒に平謝り。
元はと言えばこの城の治安の悪さが原因ですけどね!?
「リンに現を抜かせんのは俺だけだ。それでも馬鹿なこと考える奴はまず俺に言え。」
「う、現って…。」
「その馬鹿な気持ちごと叩きのめしてやる。」
アキトさん。
せめて私を降ろしてから言ってください。
こんな恥ずかしい現状なのに逃げ場もなくて辛いです。
「はい。じゃあ今日はお開きにしよ。」
「トキ話がある。部屋行ってんぞ。」
「あーうん。分かった。」
私を持ったまま、次はトキの部屋に移動するアキト。
「ね、ねえ。降ろして…?」
「お前は碌なことしねえからダメだ。」
「そんなことない!隠れんぼは…ちょっと思うところがあって始めたんだけど。でもっ…。」
「…ったく。」
アキトはそっと私を降ろす。
「お前はもっと俺を慮れ。」
「…前はレンって言ってたよ?」
「今は俺。」
「そ、そっか。ごめん。」
チラッとアキトを見ると、何故かアキトも私を見ていて。
何とも言えない空気が流れる。
だって。私への想いをレンに伝えに行くと言っていたアキト。その事の行方を私から聞くのは…なんか、ね?
「…レン、元気に医術師してたぞ。」
「…そっか。」
「毎日寝る間も惜しんで頑張ってるらしいから、酷え顔だったけど。でも王宮にいる時より全然人間らしい顔だった。」
「それは、よかった…です。」
何とも微妙な顔で、微妙な返事しか出来ない私。
あっという間にトキの部屋に辿り着いた。

