衛兵達がバタバタと本部へ走り、そこで作戦会議中の人達を呼びに行ってくれました。
とりあえずトキが来る前に、私も話したいことを話しておこう。
「今からちょっとだけセザールの軍師の立場で話すね。」
「なっ、何を言っている!?」
「まずここ最近酷使し続けてるアキト軍の前線。ソルの方は今から私が行って国境まで押し戻すから。その後準備してる予備軍で改めて国境の防衛を固めよう。」
「前線を押し戻すなど簡単に言うな!貴様の何を信じろと言うんだ!!!」
横から文官の方々が茶々を入れる。
まあ、そうだよねー。
簡単には信じてもらえないよねー。
「そんなことをして貴様になんの得がある!?」
「西の戦場はもう片付けて来た。今は元の国境守備に徹してくれてると思うよ。」
「何の冗談だ!貴様がこの国に力を貸すとは思えん!!!」
「…とりあえず早くアキト軍を休ませてあげたいっていうのと。この衰退の引き金になったのが私なら、せっかく自由になったレンがまた私のせいで肩身の狭い思いをしてないか心配だなーって。理由はそれだけかな。」
本当にそれだけ。
けろっと理由を話した私に、疑惑の念は止まない。

