「…私が怖い?」
「……。」
「そんなに優しくしなきゃいけないほど、私に嫌われるのがそんなに怖い?」
「…その癖止めた方がいいですよ。」
勝手に人を読んでしまう癖。
ハルにも止めろって良く怒られたけど。
…今は、止めたらダメだと思った。
「…もうこんなに想ってもらって、こんなに助けてもらって。私がその恩を返さないような無礼者に見える?」
「……。」
「トキのこと、私は何が何でも守り通すつもりだけど。ちゃんと気付いてる?」
「…気付くって?」
定められた運命も、張り巡らされた陰謀も。
私には何も関係ない。
「私、シオンのことも絶対見捨てたり出来ないよ。」
「……。」
「一手目の策、シオンが練れないなら私にも考えがある。」
「…何する気ですか。」
「相手次第だからはっきりは言えないけど、エゼルタの王様を味方にしちゃおうかなって考えたり?」
思わずポカンとするシオン。
予想外でしょうね。
でも政が絡んでいるというこの一件。そして謀反を起こしたくない私。
私の二手目、三手目は最終手段に置いといて。
とりあえずこの一手で終わらせたい。
「私らしい奇想天外な策になるけど。もしかするとシオンの手は少し借りるかもね。」
「…エゼルタの王はとても懐柔できるような王じゃない。」
「シオンはもう少し私を知った方がいいんじゃない?」
「は?」
今回は戦ではないけれど。
そして苦手な政という分野ですけれど。
「道のないところに道を作るの、私割と好きなんだよね。」
私がそう言って笑うと、シオンは少し目を大きくする。
でもすぐに冷たい目に戻る。
「…絶対無理。」
「やってみなきゃ分かんないってー。」
「分かる。貴女だから言いますけど陛下は今療養中。面会も謝絶されてる。まず会えません。」

