玉座に座ったスーザンは震えており。
その周りの文官達は一応そんなスーザンを守るために、周囲を固め。
遅れて現れた衛兵達が私を警戒する。
「屋根壊しちゃってごめんね。」
「ひ…姫、何故ここに…。」
「私もう姫じゃないし。今回は別に何もしないから安心してー?」
広間を見渡すがトキの姿はない。
そりゃ広間にはいないか。軍部にいるのかな。それにしてもみんなの警戒がすごいなー。
「…まずはトキ呼ぼっか。」
「貴様は動くな!!!」
「私は動かなくてもこの王宮焼け野原に出来ちゃうからあんまり意味ないよー。」
「この化け物めっ…!!!」
年頃の女の子に向かって、化け物だ魔女だと。
酷い言われ様だと自嘲の笑みが溢れる。
「寧ろ言い切らなきゃいけなかったね。あんまり時間もないから、軍事本部で策を練ってる人達全員さっさとここに連れてきて。」
少々荒っぽくてすみません。
しかし、時間が惜しい。サクとハナちゃんを早く会わせてあげたいし。アキト軍を早く休ませてあげたい。
…それに私が寝坊したのも大きいです。
「お前達、言う通りにしろ…!」
ここに助け舟を出してくれたのは、怯えきったスーザン。
あの惨劇の目撃者なだけあって、私をあまり怒らせてはいけないことを良く分かっている。

