「…んっ、ふ…ぅん。」


「……。」




眠る私がまず感じたのは、息苦しさ。


そして、熱。




眠たくても嫌でも目を開けたくなる感覚に襲われて目を開くと、目の前には銀色に輝く髪。





「っし…ぉ…っ!?」


「…起きた?」




私の呼吸を阻んでいた唇を離し、しれっとしているこの狼。





「な、なっ…!?」




何してんのこの人ーっ!!!





「起こしてこいってトキに頼まれました。」


「へ…え?」


「…もう布団も飛んでいってそんな格好で寝てたんで、そう言うことかと思って。」


「は…?」




分かっている。


シオン将軍の服を借りたままお昼寝しちゃって。そして被ってた布団を私が寝てる間に蹴り飛ばしてしまったんだよね。





「だからって何してんの!?!?」


「…キス?」


「〜っい、言わないで!!!」


「…確かに自分の服着て過ごしてる貴女を見るの、好きかもしれない。」




あ、甘すぎる雰囲気!!!


危険だ!!!




「もう着替えるから出てって!!!」




シオンをアキトの部屋から追い出し、そのドアの前に座り込み頭を抱える。


…あんな起こし方ある!?



顔の熱は冷めることを知らず、中々着替えることに身体を動かすことが出来ない。





「…遅すぎません?」


「っ!」




ドアの向こうから声が聞こえて、慌てて私はやっと着替える。


ハナちゃんが貸してくれた寝衣を脱ぎ散らかしてたのを思い出しそれをただ被っただけですが。



しかし顔が熱いままなので、このドアを開けることが出来ずに座り込む。





「…あの…って何してるんですか。」


「…ほっといて。」


「着替え済んだなら早く行きますよ。」


「先に行ってて。」