マサの治療を終えて、レンはまた部屋に戻る。


それはソルに戻るマサへ、道のりで使う薬を持たせるため。



アキトとマサは二人残された。





「…リンがあの城にいることを、あの医術師に知られたくなさそうだと感じた。」


「気を使わせて悪いなあ。その通りだ。」


「せっかく貴殿不在の時を見計らって侵入したが、エゼルタの将も巣食んでいた。」


「あれは居候。もう時期国に戻る。リンに害はねえよ。」


「だろうな。拙者を見た時の奴の目は、リンの身を案じて敵意に満ちていた。」




シオンが私を守るために動いたことに、大して驚きはしないアキト。


その想いも全て知っているから。




「お前の主ってのは随分手荒そうだなあ。」


「…ああ、恐ろしい男だ。」


「けど覚えとけよ。リンに手を出せば、そんな小せえ男より恐ろしい鬼が暴れ出す。」


「…アレンデールの第一将、か。」


「俺も、たぶん居候も含めてだけどなあ。」




連合せずとも三国を動かすことが出来る。


私が望まなくても、勝手に動き出してしまうことだろう。




「リンには拙者の心配など不要かもしれぬな。」


「…アイツお前の姿見て怒ったろ。」


「次会った時に回復しておかねば更に怒ると言われた。だからここへ来た。」


「リンを傷付けたくねえなら死んでも死ぬな。お前のことは友達だって言ってたし。アイツは馬鹿みてえにお人好しだから、それが今お前に出来る唯一のことだ。」




それをマサも気付いたからこそ、血の誓いを立てた。



…生き抜くと言う再会を誓った。