意味不明なアキトにレンは顔を顰める。
アキトもトキとの約束の手前ハッキリしたことは言えないので蟠りが残る二人。
「…レン様っ!患者様ですっ!!」
そこへ一人の女官がパタパタと走ってレンを呼びに来た。
「診療所他にもあるのに?余程重症だから城に回されたってことかな?」
「怪我は本当に重症で…っ。リン…さん?と言う方に城に来るように言われたと申しておりましたが。」
その女官の言葉に顔を見合わせるレンとアキト。
アキトはしばらく私と過ごしていたので、城で何かあったのかと内心焦る。
「…すぐ行くよ。」
「処置室へご案内しております!」
レンと、何故かアキトも一緒に向かう。
アキトは行っても何も出来ないだろうに、とりあえず私の名前が出たことで足は勝手に向かっていた。
…処置室には、血塗れの忍者。
「あ?お前ソルの…リンに求婚し腐った忍者将軍か!?」
「貴殿は、セザールの第一将…?」
出会ってしまった二人の将軍。
私はアキトがここにいるのを承知の上で、マサをここに向かわせた。それ程、マサの怪我は急を要すると思ったから。
「ちょっと話は後。とりあえず止血…って、大分荒療治だけど血は止まってるね。リンが焼灼したの?」
「…ああ。ここに腕の良い医術師が、いると聞いた。」
「…その左目は流石に無理だよ。とりあえず傷だけは対処するけど。視力は戻せない。」
「構わない。とりあえず国に戻れさえ…すればいい。」
やはり、マサの左目は手遅れで。
その目に光が映ることはもうないようだった。

