「り、リンちゃ…ぐはっ!」
「今はごめん!お大事に!!!」
再び倒れていく隊士たちを横目に、私はひたすらアキトの部屋へ全力疾走。
後ろからシオンが何故か追いかけてくる。
「何で来るのー!?」
早く服返さないと。
一生追いかけ回されそう。それに今回は上手く逃げられたけど、たぶん次はこんなに上手くいかない。
「よし、ここを登ればっ!」
あとは階段を登るだけだと私は勝利を確信した。
何の勝利か知らないけども。
「この馬鹿っ…!」
「へ…?」
シオンがまた口を悪くして階段にいる私を捕まえて、抱き抱える。
「あんた何考えてんの。」
「な、何って…早く服返そうかな…って。」
「そのまま階段登ったら下から全部見えるけど。」
「……あ。」
いやー。
こんな丈の服着ることなかったからー。
盲点盲点。
「…し、失礼しました。」
「…はぁ。」
呆れ果てているシオン。
そのまま私を抱えてアキトの部屋に連れて行ってくださいました。
「ありがとうございますー。」
「あんたといると疲れる。」
「お疲れ様ですー。」
「…本当ムカつく。」
私は早く着替えるために服を探すけど、もうお風呂入っちゃったし。夜ご飯前だけどまだお腹空いてないし。とりあえず仮眠もアリだなと考え出した。
「この服もう少し借りていい?」
「は?」
「夜ご飯まででいいの。」
「…返さなくていいです。」
あ、無礼モード終わった。
シオンその切り替えめんどくさくないのかな。
「ここにシオンといるとアキトを傷付けちゃうらしいから、トキのところ行って来てー。トキに用だったんでしょ?」
「…アキト、ね。」
「じゃあおやすみー。」

