身体を温めて脱衣所に戻ると、私はここで重大なミスに気付く。
私は確かにハナちゃんにシオンの服をそのまま着ると伝えたので、上は間に合ってるけど。
…下の服借りたいと伝えるの忘れた。
「あちゃー。」
ダメ元でシオンの服に再度袖を通すと、やっぱりぶかぶかなのでミニ丈のワンピースにならないこともない。
人生山あり谷ありですね。
「隠れてるしいっか。」
私は完全に開き直り、シオンの服のみを着た状態で浴場を出る。
そのままアキトの部屋に一度戻ろうと歩いていると、すれ違う隊士たちが悶え苦しみながら倒れていく。
…コイツ等失礼だな!?!?
見苦しい格好で歩いている手前、文句も言えず私は振り返ることなくそのまま進みます。
「やっぱ部屋に戻って着替えよ。」
そしてシオンに服返してあげよう。
それにしても今日の稽古はあんまり上手くいかなかったなー。火力に単純に頼るんじゃなくて、もっと細かく使うことが出来れば体力温存に繋がると思ったけど。
その分集中力が必要になるから気力が疲れる。
「リン!」
「トキー、お風呂先にいただきましたー。」
ここでトキと遭遇。
驚いた顔で私を見ているトキさん。
「…何だってそんな格好でふらふら歩いてるの。」
「あーお風呂上がりにハナちゃんに服借り損ねちゃって。とりあえずアキトの部屋に戻って着替えてくるねー。」
「ちょっと待って!俺も行くから!」

