「ぅわっ…。」
急に目の前が真っ暗になった私。
でもすぐに気付いた。
シオンが今度は自分の服を私に被せた。
「なっ、何してんの!?」
「…その格好で彷徨かないでください。」
「どっちかというとシオンの方がもう露出度高いよ!?」
あなた上半身もう裸ですよ!?
「…何かもう面倒。」
「露出狂?」
「ふざけんな。早く行ってください。」
ぶっかぶかの服。
城内の邪な隊士たちから私を守ろうとしてくれたんだろう。そんな不器用な優しい人。
…口悪いけど。
「…あったかい。」
私はぶかぶかの服を着てそのまま浴場へ足を進める。
ハナちゃんが既にお湯を張ってくれていて、浴場はぽかぽかで。
ハナちゃんにお礼を伝えて。さらに二枚の羽織りを乾かしたいと申し出ると、快く請け負ってくれる優しい女の子。
素直で優しくて素敵なお嫁さん。
「私やっぱりサクになりたい。」
「大袈裟だよー。それにリンちゃんがサクくんだったら私ずっとヤキモチ妬いちゃう。」
「ヤキモチ?」
「だってリンちゃん色んな人を虜にしちゃうから心配で心配で寝れないよっ!」
か、可愛すぎる…!!!
と言うか虜にしてるつもりはないけども、やはり私は距離感というものをもう少し気を付けねばならないんだろうな。
「その服トキさんのお兄さんのだよね?それも乾かそうか?」
「…んーこれはそんなに濡れてないし。お風呂上がりもお借りしようかな。」
「分かった!じゃあリンちゃんごゆっくり!」
こうしてのんびり優雅にバスタイム。
今日はハナちゃんはまだ夕餉の準備があるので、一人で大人しく入ります。

