邪魔するなよ!?
「…あーもう。」
「パルテノンのどこですか?」
「…だから違うって。」
「ここから割と近いですけど王都はやめた方がいいです。」
誰が王都なんて好き好んで行くんだ。
攻撃されるかもしれない、捕まるかもしれない、そんな可能性がより高まる王都になんて行きません。
「小癪な尋問だなー。」
「やっぱパルテノンか。」
「違う!このやり方が気に入らないってだけ!」
「…いつまでそのままでいるんですか。」
未だ雨に打たれ続けている私を見てシオンがそう言うけど。
誰のせいだと思ってんの!?!?
「…羽織りも完全に濡れちゃった。」
シオン将軍のも元から着てたハナちゃんのも。
とりあえず私はその両方をその場で脱ぎ捨てて屋根のあるところに移動して絞ってみる。
「ハナちゃんにお洗濯の時に乾かしてもらおうー。」
「……。」
「…何?」
やたら視線を感じる。
「…ちょっと色っぽい。」
「……。」
コイツ。
なんか腹立つのはどうしてでしょう。
雨が滴るのにちょっとで悪かったな!?
「アキトじゃあるまいし。」
「…何かそれムカつく。」
「あらー奇遇だね。私も若干イラッとしたとこだよー。じゃあ羽織りまた乾いたら返すねー。私お風呂行ってくるー。」
こんなことをしてる間にもう夕方だ。
今日はもうお風呂入って、ご飯食べたら早めに寝ないと明日は飛び続けなきゃいけないからしんどそう。

