じゃあ開戦時は決定的じゃん。
るうの時も思ったけど、一体どんな気持ちで…って考えるのはやめよう。考えてもどうにもならない。
「…今が人生最大のモテ期かも。」
「寧ろここからじゃない?」
「もう無理だって。これ以上好かれたら本物の魔女だよ。」
世の中に綺麗な人も優しい人もたくさんいる。
こんな浪人者より、家庭的で温かい人もたくさんいる。私にないものばかり持ってる人は多い。
「リンに近付くとなんか離れたくなくなるんだよね。」
「…やっぱこの力が惹き寄せるのかな?」
「違うよ。リンが可愛くていい子だからだよ。」
恋するタイミングも、きっかけも、その気持ちの大きさも人それぞれで。やっぱり基準となるものさしがない分私には到底理解が出来ない。
「なんかもう良くないものまで惹き寄せてるっぽいから、ちょっと私も身の振り方考えなきゃ。」
「リンには無理だよ。」
「…トキさん辛辣。」
「もうお勉強は満足してくれた?」
満足はしてないけれども。
あんまり私に付き合わせて時間を奪うのも申し訳ないので、この辺で切り上げることにします。
「うん、また時間出来たら教えてね!」
「軍の強化が早めに終わればいくらでもいいよ。」
「…そのことで吉報だけど。たぶん私あと三回くらい稽古したらアキトに負けちゃう。」
「え、本当?」
情けないことに本当です。
元々そのつもりで始めたし、成長してくれて私も嬉しいんだけども。
「…桜花爛漫の時は近そう。」
「ありがとう、リン。」
「とんでもない。私に勝てるくらいで満足しないように今後もサボらせないでね。」
「そこは任せといて。」

