そんなトキは私の頭をまた撫でて、にっこり笑ってくれる。
「そうだ!戦術を教えてください!」
「…てか、リンには必要ないんじゃない?ある程度分かるし充分強いじゃん?」
「本物の軍師が目の前にいるのに学ばない手はないよ。それに私のは付け焼き刃だって言ったじゃん。」
「うーん。」
どうしようかと悩むトキ。
シオンはまだ黙々とお菓子を無心で食べている。甘い物好きな可愛い兄弟だ。
「私の戦は基本私が的の役割。だけど的がなくても大丈夫になりたいの。」
「あれ?リンってもう戦はしないよね?」
「しないよー。でも知ってて損はないし気になるじゃん!」
「知ってて得もない気がするけど。」
るうの参謀を担うことは流石に言えない。
将軍になる話がどこまで進んでるかも分からないし。
「…教えてやれば?」
「そんなこと言うならシオンが…って、シオンに頼むとまたリンにちょっかい出すもんな。」
「……。」
弟からの信頼を失った兄。
「じゃあちょっとだけだからね。」
「トキありがとうー!」
「模型でいっか。おいで?」
「うん!じゃあシオンはトキの婚約破棄の策でも練っててねー!」
ケロッと言って退けた私に、まるで簡単に言うなと言わんばかりの目を向けるシオン。
トキは苦笑いして模型を動かす準備を始める。
「…はぁ。」
「お兄ちゃん頑張ってね!」

