これだよ。


この人の唯一残念なとこだよ。




「トキは甘いものが好きだから!ご飯食べたら探してきて!」


「何で俺が…。」


「お兄ちゃんでしょ!!」




私がシオンを叱るのを見て、怒っていたはずのトキが思わず吹き出して笑う。




「シオンにそんなこと言えるのリンだけだよ。それに俺はもらったら許さなきゃいけないんだね。」


「え?じゃあ二人は喧嘩したらどうやって仲直りするの?」


「気が付いたらなかったことになってることが多いかな?お互いバタバタするとそれどころじゃないし?」


「…なんか大人だ。」




私とハルとは違うな。


ハルは基本私の機嫌を取ろうと尽力するからな。





「でも、やっぱりトキの好きなもの持って来てあげてよ。」


「……。」


「トキは大人だから許してくれるかもしれないけど、一度喧嘩すると私だったら欲しいものくれるまで許さない。」


「…はぁ。」




呆れたように溜め息を漏らすシオン。


そんな私とシオンのやり取りをトキは楽しそうに笑うだけ。



私も言いたいことは言えたので、ご飯を美味しくいただいて。気の利くハナちゃんからコーヒーをいただいて、嬉しくて大喜びしました。





「リンはコーヒー好きだね。」


「大好きー。」


「王宮で過ごしてた時もいつも飲んでたね。」


「…あーだめ。またるうが恋しくなる。」


「ルイに会いたい?」


「会いたいじゃなくて飲みたい。」




るうのコーヒーは世界一なので。


なんせ私の好みを知り尽くしたるうが私のためだけに開発した味なので。




「…危険な発言やめなさい。」


「えっ?」


「って、リンに言っても無駄か。」




どこが危険でしたか?


けどトキはやっぱり正しくて、バタンバタンと近くに居た隊士達が私の発言を聞いて倒れていく。