二人で静かに読書してみるが、お互い一冊しかないので意外とすぐ読み終わり。
読み終わった本をシオンから奪うと、そんな私が読んでた天候の本も読みたいと言うので貸してあげた。
…アキトが買ってくれたんだけどね。
「物理学は面白いけど生命学むず。」
「どこ?」
お互い読み終わったら意見交換。
もうこの時間が尊すぎるし有り難すぎる。
「…あのー。」
仲良く本の内容について話してるこの部屋に、ハナちゃんがやって来た。
「あ、ハナちゃん!おはよう!」
「リンちゃんおはよう。もうお昼みんな集まってるけど、ご飯どうかなって…。」
ハナちゃんが部屋に顔を出すと、シオンの雰囲気が少しだけ変わる。
それは女性が苦手だと知ってようやく気付けるくらい、ほんの僅かな違いだった。
「うん、着替えたらすぐ行くね。」
「分かった!リンちゃんのお洋服向こうに置いといたから!トキさんのお兄さんもお邪魔してすみません!失礼しますっ!」
ハナちゃんはパタパタとすぐに走り去る。
「…本当に苦手そうだね。」
「…無害だと分かってるだけマシです。」
「可愛い子がダメってことなのかな?女性かそうじゃないかどう判別してるの?」
「判別するまでもなく全部無理です。」
ほう。
つまり私はどこに分類されているのか不思議ですね。
「…貴女以外って話です。」
「つまり私は両生類。カエルと同じ感じか。」
「馬鹿すぎる。」
「馬鹿って言った!?」
さっき科学の本に書いてあって覚えたことを早速応用したら馬鹿だと言われた。
…鬼畜め。

