(二)この世界ごと愛したい





「ちゃちゃっと戦終わらせてくるね!」


「リンちゃん…。」


「ついでにアキト軍一ヶ月は休養させてもらえるようにスーザンに頼んでくる!」


「え、陛下に直接!?」




また取り巻きの文官達にガミガミ言われるんだろうが、それは仕方ないだろう。





「お休みもらえたら約束通り遊び倒そうね!アキトっ!」


「…ああ。」




私は来た時同様、この部屋の窓に手を掛ける。



ふわりと炎を纏う。





「あ、そう言えばアキト。」


「ん?」


「第一将昇格おめでとうー。」




アキトの腰に添えられた将印を見て、私は思わず笑みが溢れる。


ハルと同じ将印を与えられた将軍として、これからたくさん活躍することだろう。





そんなことを考えながら、私は王宮を目指して舞い上がる。