朝を迎え。
ハナちゃんがいつまで経っても起きてこない私を探して、アキトの部屋に呼びに来たものの。
私を抱えて眠っているのがシオン将軍だったので、見てはいけないものを見てしまったと驚き、結局見なかったことにしてそのまま部屋を出る。
そして次にトキがシオン将軍の姿がどこにもないので、もしやと思いアキトの部屋を覗くと案の定そこで寝ている目当ての人物。
「…ここアキトの部屋なんだけど。この二人分かってんのかな。」
盛大な溜め息を吐いて。
馬鹿馬鹿しくなりそのまま放置。
寝ると決めればとことん寝てしまう私とシオン将軍は、このまま眠り続ける。
…先に目を覚ましたのは。
「……。」
私ではなく、シオン将軍。
隣で未だ眠り続ける私を抱き締める力が無意識に追加され、後を追うように私も目覚める。
「う…んー。」
「……。」
「…あ、め。」
降り注ぐ心地良い雨の音。
温もりに包まれた身体。
そのどちらもが私を再び夢の世界に誘うものの。
…何でこんなに窮屈なの。
ふと疑問に思い薄く目を開くと、目の前には狼のような銀髪の君。
「…し…お…。」
シオン将軍?
あれ?
この人私より先にもっと遠くで寝てなかったっけ。
「ん?」
「な、に…。」
状況を考えようにも寝起き無能な私は、頭が全然働かない。
「…やっぱ今も可愛いかもな。」
「…へ?」
シオン将軍も寝起きなのか。
頭回ってないんだな。
「あ、あの…?」
「何か?」
「は…離して…ほしい、です。」
「何で?」

