今ならたぶん、ハルにも負けないくらい良いお兄ちゃんに見える。
お兄ちゃんパワーがすごい。
「…トキにもやってあげたら喜びそう。」
「……。(本当ムカつく。)」
「起きたら一緒に本読む?」
「…あーはいはい。(もうアホらし。)」
すぐにまた冷たくなったシオン将軍。
ちゃんとやれば良いお兄ちゃん出来るんだから、いつもちゃんとやれば良いのに。
…兎にも角にも。
雨が止んだらハルに会える。
そう考えるだけで心が弾むほど嬉しい。まだ離れてそんなに日は経ってないんだけど。
「…俺は寝ます。」
「あ、うん。おやすみ。」
さっきは私を抱き締めて眠っていたシオン将軍だけども、今度は当たりも触りもせずに距離を取っている。
謎だー。
別に何でも良いんですけど。
私も早く寝てしまおうと思い目を瞑る。
明日はハナちゃんにコーヒーもらってのんびり本でも読んで。
読み終わったらシオン将軍かトキに戦術教えてもらって、それから対ソル戦を見据えて先のことを少し考えよう。
アキトは無事にレンの城に着いたかな?
マサも向かわせちゃったけど大丈夫かな?
考え事はたくさんあるけど、今は忘れてとりあえず寝ましょう。
「…ムカつくくらい普通に寝てる。」
「……。」
私が眠った後、愚痴を漏らすシオン将軍。
当たらず触らずだったくせに、そんな私を再び抱き枕にして自分も眠ってしまったようだった。

