ぽつり、ぽつりと。
雨粒が落ちてくると同時に私は炎を纏う。
一人で勝手にアキトの部屋に戻ろうとした私を、すぐに抱き抱えたシオン将軍。
「…便乗。」
「私は便利な足ですか。」
けど濡れるのも嫌なのですぐに舞い上がり、シオン将軍と共に部屋に戻って来ました。
剣を置いて、私は再び布団に潜り込む。
寝そびれた!二度寝しよう!!
私はそう決め込んだのに何故か突っ立ってるシオン将軍。
「何してんの!」
「は?」
私はシオン将軍の腕を引っ張り、布団に引き込む。
「まだ寝れる!トキが起こしに来ちゃう前に早く寝なきゃ損だよ!」
「……。」
「おやすみ!」
「…何で一緒に寝るわけ?」
…お、仰る通りだ。
起きた時一緒にいたから、二度寝も一緒にするものだと思い込んでしまった。
そして迫り来るトキの目覚ましに怯えすぎた。
「…間違えた、ごめん。」
「いいですよ。眠いのは俺も同じなんで。」
「…ん?てかさっきまでは何でここで寝てたの?」
「…眠かったから?」
そうですか。
自分は勝手に人の横で寝るくせに、私の間違いを突くんですね。
「好きな場所で寝ていいよ。」
「どうも。」
「……。」
動かんのかーい。
私はとっくにシオン将軍の腕は離してるのに、好きな場所で寝ていいと言ってるのに。
そのまま隣にいるこの人。
「…おやすみ。」
「っ!」
そして、私の頭にぽんっと手を乗せて。
初めて見る優しい顔で。
…おやすみと言った姿に驚いた。

