…とりあえずマサを地上に降ろすか。
「マサ、動かないでね。」
「……っ。」
シオン将軍の剣を往なし、私はマサの腕を引っ張り屋根から飛び降りる。
地上に着く直前だけ炎で勢いを和らげる。
「その目、私のせいならごめん。代償にはならないだろうけどここは任せて。必ずまた会いに行くから。それまでに元気になっててね?」
「もう会いに来なくていい。ソルはリンにとって危険な土地だ。」
「…とにかく次始まる戦には関わらずに大人しく療養してて?」
「この有り様ではしばらくは戦えぬ。」
相変わらず身軽なシオン将軍がマサを追って、屋根から淡々と降りてくる。
「…とりあえずあの人私には無害だから、安心して行っていいよ。」
「リン、出来るだけ早くここを離れろ。」
「分かったから。次会う時今よりボロボロだったら私本当に怒るからね。」
「…気を付ける。」
そう言ってマサは忍の足で素早く移動。
シオン将軍が迷わずそれを追うが、私がさせない。
「貴女、馬鹿ですか。」
「友達見捨てるくらいなら馬鹿でいいよ。」
再び剣を交えることになった私とシオン将軍。
その間にマサの気配は遠くへ移動したのが分かり、追える距離ではなくなったと同時に私は剣を引く。
私が剣を引いたことと、もうマサを追えないことを理解したシオン将軍もまた剣を収める。

