(二)この世界ごと愛したい




トキの嘘つき。


まだまだ口悪いよ。鬼畜だよ。




「…怒ってません。」


「あ、戻った。」


「そうやって無防備に横になるのが故意なのかただの馬鹿なのかどうか気になっただけです。」


「だって何時だと思ってるの?もう眠いよ?」




私の限界は近いです。


話があるならさっさと終わらせてください。出来れば穏便に。




「俺のことは軍略囲碁あれだけ付き合わせといて。」


「…あー分かりました。ちゃんと聞きます。力は使うなって話だったよね?それに関しては状況次第だから安易に了承出来ない。」


「じゃあソルに近付かないでください。」


「それも微妙かな。マサに行くって言っちゃったし。ソルには迷惑掛け続けてるからまだ行かないけどいずれは行かなきゃ。」




ソルに近付くな…か。


この人がそう言うってことは、何か良くないことが起ころうとしているのは分かる。




「…せめてもう少し待ってください。」


「待つって?」


「ハルにソルの第一将を討ってもらいます。それまで待っていてください。」




ハルに?


ソルの第一将を?




「…ソルの第一将って強いの?」


「決して弱くはない。貴女はソルとの戦経験ありませんよね?」


「なんで知ってるの!?」


「アレンデール前王の計らいです。あの国と貴女の相性は悪すぎる。」




確かに、パパが南のソルとの戦場には私を出陣させることはなかった。


相性が悪いからだったんだって今知った。





「…考えとくね。まだ何かある?」


「ハルの戦の心配はもういいんですか?」


「うーん。結局決めるのはハルだし。どうせ私が止めたってハルもシオン将軍も止まらないなら時間の無駄だし寝たい。」


「あとエゼルタに来る話も考えといてください。」




しつこいなー。


亡命なんて無理だし、第一シオン将軍も私がユイ姫に会うの嫌そうにしてたくせに。