(二)この世界ごと愛したい






「リンちゃん起きました?」



そこへ天使のようなハナちゃんがやってきた。


その姿を見るだけで、私の心は癒されます。





「ハナちゃんおはよう。」


「リンちゃんおはようー!ゆっくり休めたみたいでよかった!」


「お陰様でぐっすりでしたー。」




アキトへの対応とは打って変わった私を、アキトが物言いたげにしていますが。


ここは知りません。




「アキトさんもリンちゃんもお昼ごはんどうします?」


「私はすぐ出るからいいよー。」


「じゃあリンちゃんお支度あると思うから、一緒に行こう!」


「ハナちゃんありがとー。」




私はハナちゃんと朝の支度のため、一時アキトの部屋を退室。


同じフロアに洗面所や、簡易のシャワー室があるようで好きに使っていいと言ってくれた。





「リンちゃん、アキトさんに何もされなかった?大丈夫?」


「私すぐ寝ちゃったから特に何も?」


「…やっぱりアキトさんも、本命は大事に出来るんだ。」


「え?」




私が手早く支度を済ませる間、ハナちゃんは不思議なことを言っているが。


特に気にせず私は着替えに取り掛かる。





「傷が…。」


「へ?あー傷だらけでしょー?」



私の身体に刻まれた数々の傷跡を見て、ハナちゃんが悲しそうに顔を歪める。




「リンちゃん女の子なのに。」


「こんな戦国の時代の姫やってたし、将軍やってたし。情けないとは思うけど私は気にしてないよー。」


「…情けないなんて、そんなことないよ。リンちゃんが命懸けで戦ってきた証拠だもん。」


「…私は今猛烈にサクが羨ましい。こんな可愛いハナちゃんがお嫁さんで。」




そう言うとハナちゃんは少し顔を赤くして、でも嬉しそうに笑う。


やっぱり女の子はこうでなくちゃ!!!



私にはとても目指せそうもないけれど、こんな奥さんいたら戦でも何でも頑張れると思う。