もうほぼ酔いも冷めた。
そして夜もかなり遅い時間になってきた。
「…アキトは結局、私が可愛いから好きなの?」
「急に何だよ。」
「私を好きになる人って、どんなところに惹かれるのか気になって。るうにも聞いたんだけどるうのはちょっと参考にならなかったから。」
るうは全部と答えた。
答えた割に不平不満もそれなりにあった。
火龍としてではなく、私自身に惹かれるその理由が単に気になる。
「…そそられるから。」
「また邪!?」
「男なんてそんなもんだろ。」
そうじゃない人もいると思うけど。
そんな私の頭に過ったシオン将軍に、色々されたことはもちろん覚えていますが。
「前にも言ったが、お前に本気でそそられるのは顔だけじゃねえよ。」
「顔…では確かに無理だね。」
「無理じゃねえけど。それよりも自分に剣突き立てながら進み続ける様が堪らねえ。」
「ほ、褒めてる…?」
確か前にも言われたけど。
それってまた自己犠牲がどうって話だよね。
「よっ…と。」
「わっ…!?」
アキトが突然私の身体を持ち上げた。
子供を高い高いするように。
「たかーい!アキトやっぱり大きいねー!」
「お前がお前を大事にしねえし、甘やかしもしねえなら。」
「うん?」
「守ってやるしかねえし、甘えさせるしかねえよなあ。」
私を抱え上げて、アキトの目線より上にいる私。
月明かりが照らすアキトの顔が、見たことないくらい今までで一番妖艶だった。
「って言う話をしに、今からレンのとこ行ってくる。」
「今から!?」
「だからお前今日は一人で大人しく寝てろよ?」
「その話必要なの!?」
「…俺はもう、二度とレンを裏切るわけにはいかねえからなあ。」
アキトがレンを…裏切る?

