翌日。
私は朝から王宮へ向かい。
戦場へ赴き前線を押し上げる…予定だった。
「…ん…うー。」
「……。」
「るー…?」
「…ルイならいねえぞ?」
長年の癖とは厄介で。
寝起きでまず探してしまうのはるうの姿。
「んー…。」
「寝起き悪いっていうか、ただ単に朝弱いだけじゃねえか。」
「…る、ひっぱ…て。」
「だからルイはいねえって。」
るうが、いない。
そうか。
私城を出てアキトのところに…。
徐々に覚めてきた頭。思い出してきた記憶。それを糧に開けたくない目を開ける。
「…おは、よ。」
「ああ、おはよう。」
るうのコーヒーが欲しいけど、そんな我が儘は言えない。
早く慣れろ!私!!!
「あー、王宮行かなきゃ…。今何時?」
「昼過ぎ。」
「あー、昼…過ぎ?」
朝じゃないのっ!?!?
「なっ…嘘!?」
「嘘じゃねえよ。」
「なんで起こしてくれないの!?」
「お前は子供か!?」
るうがいないって、本当に厄介。
私はまだまだ甘ったれの姫の余韻が抜けないようで、起きて早々アキトに当たり散らす。
「アキトの鬼!大体この時間までアキトは何してたの!?」
「ああ!?お前が起きねえように気を利かせて静かにしてたんだろうが!?」
「気の利かせ方間違えてるから!私出掛けるって言ったよね!?」
「そんなもん俺が知るかよ!!!」
せっかく仲直りしたのに、早くも喧嘩勃発。

