そして無事に部屋に辿り着き、シオン将軍は私をとりあえず寝台に降ろす。
横になりたい衝動に駆られるけど、ここはトキを待つのがベスト。
「じゃあトキ探してくるんで、大人しくしててください。」
「うんー。」
よろしくです。
私はたぶんもう戦力にならないので。
相変わらず月明かりだけが差し込む部屋で、私はシオン将軍とトキの帰りを待った。
しかし思いの外帰りが遅い。
アキトの部屋だよね?そんなに遠くないよね?
「…おそー。」
痺れを切らした私はふらっと部屋を出てしまう。
凡そ正常な判断能力はない。
「…?」
覚束ない足で、ふらっと屋外に出てみる。
今朝までと空気が変わっている。
明日から降る雨のせいもあるけど、世界が再び動き出そうとしている気配。
「…急がなきゃ。」
気配はここから東…と南が少し。
ディオンとソル。
トキの部屋で見せてもらった地図が大いに役立つ。各国王都の場所や城と、その道にある山や川や峡谷など。迂回しなくてはならないルート。
「…ぎりぎり、かな。」
ここに在住する日数を考慮し、ギリギリ大丈夫だろうと判断。
でも、早めることも視野に入れねば。
…真剣なことを考えると。
不思議と少し酔いが冷めるのが分かる。
冷めてきたので、焦る。
黙って外に出て来ちゃった!!!

