「アキト私にもちょーだい。」
「お前はダメだ!!!」
「トキがいいって言ったもん。加減して飲めば大丈夫だよー。」
「被害受けんのは俺なんだよ!!!」
私はアキトの前に座って、その隣にトキが座る。
アキトの周りにいた隊士たちは気を利かせてか解散して、周囲はほぼ空席になる。
「俺も見張るから大丈夫だって。俺もリンが酔ってる可愛いとこ見たいんだよねー。」
「だからそのツケは全部俺にくんだよ!!!」
アキトとトキが言い合ってる間に、私は目の前の料理とお酒を勝手にいただく。
「っておい!もう飲んでんじゃねえか!」
「喉乾いちゃってー。」
「水代わりか!?お前は酒豪か!?」
「アキトは今日も元気だねー。」
ゴクゴクと飲み進める私。
それを見てトキも一緒に飲み始め。アキトも諦めてチラチラ私の飲むペースを心配しつつ三人で楽しく飲み会を開いています。
「それでそれで?リンの好きなことって何?」
「趣味は読書だけど、戦の基盤とか眺めるのも好きだよ?」
「他には?」
「他は…ハルかな?」
私の好きなものと言えばハルです。
「あーそうだ。俺会ったことなくてさー。アキトからしつこく話は聞かされたんだけど、リンとシオンから話聞いてるとなんかイメージと違うんだよね。」
「どんなイメージなの?」
「強くて男らしくてクールでカッコいいって。」
ほうほう。
確かに強くて男らしい。
カッコいいのも私が保証する。
「…クールは違うかな。」
「だよね?どっちかって言うとアキトタイプだよね?」
「うん。本当にアキトが一番近いと思う。」
「じゃあそれでもリンがアキトに靡かないのはやっぱアキトがヘタレなせいか。」
そんなことを言われたアキトが黙っていられるわけもなく、ギャーギャーと騒ぐ。
「アキトうるさい。」
そんな文句を言いながらシオン将軍がやって来て、勝手に飲み会に参加する。
「…え?」
「…何か。」
私が思わず不思議に思う声が漏れたのは、シオン将軍が座ったのが私の隣だったから。
四人で座るんだから、てっきりアキトの横に座るのが定石だと思った。
謎にトキとシオン将軍に挟まれ正面にアキトがいるという状態。

