シオン将軍は信じられないと言わんばかりに驚きながらも、脱ぎ捨てていた服を拾って着る。
「…すみませんでした。」
「私が良いって言ったの。」
「それがまずおかしい事に気付けよ。」
「…許してくれたはずなのにシオン将軍の口が悪い。」
今までも垣間見えてましたけど。
トキのお兄さんだけあって、本来のお口は相当悪そうだ。
「シオンは大体こんな感じだよ。リンに対してが優しすぎて俺はそっちの方が怖い。」
「そうなの?これでマシなの?」
「…リン睨まれてるよ。とりあえずシオンはもうほっといてお酒でも飲んで気晴らしする?今日は俺が側にいてあげるからさ?」
「そうしようー。」
私を睨んでいるらしいシオン将軍は、トキの言う通りほっといて。
すっかり落ち着いた私の手を握ってトキは歩き出す。
「今日はリンの好きなことでも話して、パーっと楽しく過ごそうね。」
「私の好きなこと?」
「うんうん。嫌なことは全部忘れよう。」
「うん!頑張るねっ!」
頑張らなくていいよとトキが笑う。
もうモヤモヤするからお酒の力を借りて一時でも忘れさせてもらおう。
「リン遅え!」
「アキトお待たせ。シオンが中々起きなくてさー。」
「シオンはいつも起きねえだろ。何でわざわざリンに行かせたんだよ。」
「すぐ起きるか検証してみたんだけど、流石のリンでも起きなかったから俺が起こしてきた。」
なるほど。
さっきの一件はなかったことにしろというトキからのメッセージですね。
承りました。

