収拾が付かない私とシオン将軍のやり取りを見兼ねたトキが私を抱き上げて、シオン将軍から離す。
「と、トキ…!」
「シオンの濡れ場なんて俺見たくないし、リンも落ち着いて?」
「でもっ…。」
「何があったからは知らないけどリンは悪くないよ。だから大丈夫。」
トキが私の乱れた服を整えて。
私を落ち着かせるために優しく抱きしめてくれる。
「っ…。」
「俺が行かせたばっかりにごめんね。シオンがまさかこんなに馬鹿だと思わなくて。」
「トキ…。」
「リンはもう少し自分を大事にしようね。」
未知の体験から解放されて安堵したのは事実。
トキの腕の中で、身体に入っていた力がヘナヘナと抜けていくのが自分でも分かる。
「ねえ、シオン。」
「……。」
「リンにしたことって、シオンがされたら一番嫌なことじゃないの?」
「…だな。」
トキは私を宥めつつ、シオン将軍にお説教を始めた。
「何でリンにこんなことしたの?」
「…あまりに健気でムカついたから。」
「やってることがあの女と同じ手口になってる。リンは大事な女の子でしょ?」
「大事なのは否定しないけど、彼女も彼女だろ。」
私のせいで兄弟喧嘩が始まろうとしている。
…どうしましょう。
「やって良いことと悪いことの判別も付かないの?リンは人一倍責任感強いんだよ?自己犠牲の塊だよ?それを良いことに何してんの?」
「その事に関しては今ようやく理解した。まさかここまで馬鹿だと思ってなかった。」
「こういうとこはアキトより馬鹿なんだからね?第一初体験をこんな場所で奪うなんて最低だよ?」
「それもお前が来る直前に知った。まさかここまで頭が悪いと思ってなかったんだ。」
…怒られてるのシオン将軍だよね?
なんか私の悪口大会みたいになってない?

