「……。」
「……。」
お互いに沈黙が続く。
いつの間にか上半身の服を脱いでいたシオン将軍。
私の服も若干脱がされかけたまま。
あまりにシオン将軍が動かないので、私はその上半身に思わず見入る。
トキのお兄さんだから、一見華奢に見えなくもないけど。やっぱりすごく鍛えられてるのが分かる腹筋と二の腕の筋肉。
そんな時間を過ごしていると。
「リン、シオン起きた……え?」
パタパタと走って来たトキが、私達の止まった時間を動かしてくれる。
何かありましたと言わんばかりに乱れた服と、シオン将軍の膝の上にいる私。
それを見て流石のトキも固まる。
「し、おん…何して…。」
「…トキ落ち着け。」
「落ち着け…って、何。」
「…とりあえず待て。」
私はそんな二人のやり取りを静観しているだけ。
「自分で降りれます?降ろします?」
「…私?」
「他に誰がいんだよ。」
「何で降りるの?」
何言ってんだコイツと言わんばかりの目を向けるシオン将軍。
だって、降りたら私は…?
「…やめないで。」
「はあ!?」
「…他に私に差し出せる物なんてないもん!本当なら死んでお詫びしたいくらいだけどそれも出来ない!だからやめないでっ!」
シオン将軍はまた深く溜め息を吐く。
「もう参りました。俺の負けです。」
「参ったとか負けとかそんな話じゃなくて…!」
「元々気にしてない。それを勝手落ち込んで反省してるから乗っかっただけ。」
「シオン将軍が気にしなくても私が気にするの!」

